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指揮者のこと



指揮者の歴史
指揮者の役割
指揮者の称号について 
日本人が優勝した指揮者コンクール
指揮棒のこと
オーケストラに指揮者は必要か
なぜ女性指揮者は少ない
指揮と音がずれて聞こえるのは
指揮者と暗譜
指揮者になるのには

指揮者は誰が決める



指揮者の歴史

指揮者のルーツは古代ギリシャのコーロ(合唱)にさかのぼるといわれています。その指揮者は足を上げ下げすることでテンポを決め、フレーズを整えたようです。17世紀のバロック時代になると、作曲家がチェンバロを弾きながら奏者たちに指示を与えたり、ヴァイオリン奏者が立って弾きながら弓で指示をしたりしていました。

 この時代のフランス宮廷で活躍していたのが作曲家のジャン・バティスト・リュリでした。リュリは金属製の杖で床を叩いてリズムをとる指揮をしていましたが、ある時、誤って足を突いてしまい、その傷がもとで破傷風になり死んでしまったというエピソードがあります。

 現在のように燕尾服を着て、指揮棒を持った専門の指揮者が登場したのは、それから200年近くたった19世紀半ば過ぎのロマン主義の時代になります。この時代には管弦楽法が飛躍的に複雑になり、片手間の指揮では間に合わなくなり職業として指揮者が登場しました。
 最初の職業指揮者としてその地位を不動にした人は、リストとワーグナーの弟子のハンス・フォン・ビューローだといわれています。その後、ハンガリーのニキシュ、オーストリアのヴァインガルトナー、オランダのメンゲルベルク、イタリアのトスカニーニ、ドイツのフルトヴェングラーなどが登場する中で指揮者という仕事が注目を集めるようになりました。



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指揮者の役割

オーケストラの指揮者の役目にはどのようなものあるのでしょうか。指揮者の役目として一番重要なものは演奏者に音の「入るきっかけ」と「終わるタイミング」の指示を行うことです。そしてオーケストラ全体の音のバランスを聞き、曲をまとめあげる指導をするのが指揮者の役目です。とくに現代曲などには曲の途中のテンポの変わる作品もたくさんあり、そんなときには指揮者の指示が大変重要になります

 さらにはその音楽の持つ構成や作曲家の意図をしっかり把握して、音楽を盛り上げたり、抑えたりするなど、表現や曲の流れをオーケストラに意識させるのも指揮者の重要な役目です。この指揮者の指示によって、演奏のスタイルや曲のイメージが大きく変わるので、指示の違いがそのまま指揮者の個性となり、オーケストラの評価へとつながります。

 また指揮者の役目はこのような物理的なことだけではなく、指揮者は演奏者に対し心理的な影響をおよぼすこともあります。演奏中の指揮者の気迫や表情、タクトさばきによって演奏者が刺激を受け、指揮者の目指す音楽に引き込まれて練習以上の音楽性を発揮することもあります。




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指揮者の称号について

オーケストラには指揮者がどのような立場にあるかを示す称号がつけられています。指揮者の称号には厳密なルールがあるわけではありません。オーケストラによってそのニュアンスは違っています。

 音楽監督

オーケストラのプログラミングやソリストの選考、役員に人事などにも積極的に関わって、強大な権限を持ちます。演奏回数も最も多く、年間の定期演奏会の3分の1程度と、特別演奏会などの指揮をし、そのオーケストラの活動内容や演奏の成否を左右します。それだけに音楽的な能力と合わせて人格的にも優れている指揮者でないとつとまりません。

 常任指揮者

実質は音楽監督と同格とみなされます。ただし楽員人事などのような運営面にかかわることを嫌い、ただひたすら素晴らしい音楽とオーケストラを創りたいというような、純粋な音楽家気質の持ち主が多いようです。

 名誉指揮者

オーケストラの「音楽監督」や「常任指揮者」を務めたような、永年にわたってそのオーケストラに貢献した人に贈られる称号です。また楽員や聴衆に対して素晴らしい演奏を数回やっただけで贈られることもあります。

 桂冠指揮者

素晴らしい演奏をする客演指揮者でその回数が多くなると、オーケストラ側が心からの感謝といつまでも指揮を続けてくださいという願いをこめて贈る称号です。

 永久指揮者

永年オーケストラに貢献してきた指揮者が亡くなったあとに贈られる一種の戒名のような称号です。

 客演指揮者

楽員と聴衆に人気があり、数多く定期演奏会に招かれるゲスト指揮者です。その客演指揮で認められて音楽監督や常任指揮者になっていくこともあります。客員指揮者の中でもその実績がより認められると「主席」が付けられます。

 正指揮者

英語でパーマネントコンダクターと訳されているように、「永遠に私たちの指揮者です」というような思いをこめた称号です。特にオーケストラへの権限や、演奏回数に対する約束はないようです。

 アシスタント指揮者

練習や本番に立ち会って、指揮者と楽員の双方の現場を体験して、一人前の指揮者になる前の研修生です。




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日本人が優勝した指揮者コンクール

日本人が優勝した国際指揮者コンクールを中心に載せました。指揮者コンクールだけでも世界中にはかなり多くの指揮者コンクールがあり、中でもイタリアは指揮者コンクールに限らず、コンクール王国といわれるほど多くのコンクールがあります。まだ調べきれていません(悪しからず)

 ブザンソン国際指揮者コンクール (フランス) 

フランスの東部にある都市ブザンソンで隔年に開催されるコンクール。小澤征爾が優勝したコンクールとしてつとに有名。コンクールはブザンソン音楽祭の中で行われ、隔年で指揮部門と作曲部門のコンクールが行われる。いままでに優勝した日本人には小澤征爾を初めとして、松尾葉子、佐渡裕、阪哲朗、下野竜也、沼尻竜典がいる。

1959年第1位、小澤征爾
1982年第1位、松尾葉子
1989年第1位、佐渡裕
1995年第1位、阪哲朗
1990年第1位、沼尻竜典
2001年第1位、下野竜也

 キリル・コンドラシン国際青年指揮者コンクール (オランダ)

数ある指揮者コンクールの中でも、最も水準が高いコンクールとして知られるコンクール。オランダの音楽界に多大な功績を残した名指揮者キリル・コンドラシンを称えて、1984年から4〜5年毎にオランダで開かれる。今までの優勝者に広上淳一がいる。

1984年 第1回 第1位、広上淳一

 ニコライ・マルコ指揮者コンクール (デンマーク)

ウクライナ出身でデンマーク放送交響楽団の拡大・発展に大きく貢献した、ニコライ・マルコの業績を記念して、若手指揮者のためのコンクールとして1965年に始まり、3年ごとに開催されている。
今までの優勝者に山下一史、大阪出身の金聖響がいる。

1986年 第8回 第1位 山下一史
1998年 第12回 第1位 金聖響

 ブダペスト国際指揮者コンクール第1位 (ハンガリー)

日本では「ブダペスト国際指揮者コンクール」として知られているこのコンクールは、正式名称を「ハンガリー国営テレビ主催ヤーノシュ・フェレンチク記念国際指揮者コンクール」といい、ハンガリーが生んだ大指揮者・ヤーノシュ・フェレンチク名を記念している。1974年に第1回が開催され、以後3年おきに開催され、現在までに9回が行われている。現在はハンガリー国営テレビの経済状況の悪化に伴い開催が延期されたままになっている。

1974年 第1回 第1位 小林研一郎
1992年 第7回 第1位 本名徹次

 東京国際指揮者コンクール(日本)

東京国際音楽コンクールは、財団法人民主音楽協会によって1966年より主催され、指揮者コンクールは3年毎に開催されている。2006年度は14回目の指揮部門の実施となる。

1967年 第1回 第1位 手塚幸紀
1970年 第2回 第1位 小泉和裕
1979年 第5回 第1位 田中良和
1982年 第6回 第1位 十束尚宏
1988年 第8回 第1位 栗田博文
2000年 第12回 第1位 下野竜也

 カラヤン国際指揮者コンクール (オーストリア)

1973年 第3回 第1位 小泉和裕

 ミラノ・スカラ座主催グィド・カンテルリ指揮者コンクール(イタリア)

1971年 第1位 井上道義
 アルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクール (イタリア) 

1987年 第3回 第1位 大野和士

 アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクール (イタリア) 

1989年 第1位 栗田博文

 ミトロプーロス国際指揮者コンクール (アメリカ) 

2000年 第1位 寺岡清高

 バルトーク国際オペラ指揮者コンクール (ルーマニア)

2007年 第2回 第1位 橘直貴

 ハンス・スワロフスキー国際指揮者コンクール (オーストリア)

1984年 第1位 高関 健

 マリオ・グゼッラ国際指揮者コンクール (イタリア)

1995年 第1回 第1位 村中大祐

 レナード・バーンスタイン・エルサレム国際指揮者コンクール (イスラエル)

1995年 第1回 第1位 佐渡 裕

 他の指揮者コンクール(日本人の優勝者なし)

シベリウス国際指揮者コンクール(フィンランド) 
ディヌ・ニクレスク国際指揮者コンクール (ルーマニア)
グスタフ・マーラー指揮者コンクール (ドイツ) 
シベリウス国際指揮者コンクール (フィンランド)
ルパート指揮者コンクール (イギリス)




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指揮棒のこと

辞書を引くと、「指揮棒とは指揮者が持つ棒。主に右手で持ち、腕の延長として拍をきざむ。指揮の小さな動きを大きな動きに変える道具である」と書いてあります。

指揮棒を持つ目的は何でしょうか。一般的には大勢のプレーヤーにフレーズの頭を指示したり、リズムをより明確に指示するためには、人間の腕の長さでは不十分なので、棒を持ってその長さを延長している。というのがその理由のようです。

指揮の目的は拍をきざむだけではなく、速度、強弱、アインザッツ、曲の表情など、演奏についての多くの事柄を指示するためにある。ということを考えると、指揮棒を持たないで、奏者が自分の指先に注目してもらえるほうが、棒を持つよりよほど表現の幅は大きくなるといえるのではないでしょうか。ただし指揮棒を持たないと図形をより大きく描かなくてはならず腕が疲れやすくなるというのもうなずけます。

特に合唱の指揮などのように、情感豊かに歌い上げたり、細やかなニュアンスを伝えたい場合には指揮棒を持たないほうが、より豊かに表現することが出来るようです。このためヘルベルト・フォン・カラヤンやヴォルフガング・サヴァリッシュは合唱音楽のときには指揮棒を使わなかったといいます。

小澤征爾はマーラーやブルックナーでもほとんど指揮棒を持っていません。またカラヤンも晩年には指揮棒を持たなくなりました。つまるところ指揮棒を持つか持たないかは、スタイルの違い、好みの問題であるような気もしますが・・・・。




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オーケストラに指揮者は必要か

 先ず、指揮者の役割を見てみます。「指揮者はオーケストラの音色やテンポを図りながら、全体の演奏をまとめあげてゆきます。指揮者の解釈によって、演奏のスタイルや曲のイメージが大きく変わるので、解釈の違いがそのまま指揮者の個性となり、オーケストラの評価へとつながります。・・・」
指揮者がいないとなるとこの役割はだれがするのでしょう。

 ニューヨークに指揮者を置かないことで有名なオルフェウス室内管弦楽団があります。オルフェウスではどのようにしているかといいますと、まずオーケストラのメンバーがコンサートマスターや中心になる奏者を選びます。そして、その人たちが演奏全体の方向性やリハーサル計画を決め、練習を行い、最終リハーサルでは全メンバーで演奏のチェックと洗練を行うそうです。
 この場合は考え方によっては全員で指揮者の役割を果たしているといえるかもしれません。言い換えると指揮者はいなくても演奏はできますが、全体を音楽的かつ調和的に動かす役目の人がいないと基本的には演奏ができないと言えましょう。




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なぜ女性指揮者は少ない

音楽の世界でまだ男性優位といえるのは指揮者ですが、最近では松尾葉子さんや西本智実さんの活躍でもわかるように、国内でも女流指揮者が徐々に増えてきています。また大学の指揮科にも女性の在籍者が増えています。

 オーケストラの世界では、ヴァイオリン奏者は殆どが女性という状況はすでにあり、クラシック予備軍とも言える高校のブラスバンドでも殆どが女性になっています。こうなるとクラシック音楽の奏者は「女性だけ」になってしまう日も近いのではと思われる勢いである。

 一般的には女性は「論理的思考力」や「統率力」などが・・・と女性指揮者が少ない理由のようにいわれていますが、実際には「女性だから」という根拠は見いだせず、男性と同じくらいの程度において、個人差の方が大きいように思えます。

 なお、指揮者になろうとする人は、自己顕示欲が強い人間でないと務まらないという気はします。そのような性質は女性より男性に多く存在すると考えられるので、 結果、女性の指揮者が少ないのではともいえそうです。




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指揮と音がずれて聞こえるのは

オーケストラの演奏で指揮者が指揮棒を振り下ろしてから、少し遅れて音が鳴るのを感じることがあります。つまり指揮とオーケストラの演奏とがあっていないように感ずることがよくあります。

 でもこれは演奏が「出遅れた」のではありません。指揮棒が動いてから音が鳴るまでほんのわずかの時間差が生じて、それがずれて聞こえるのが原因です。短距離走者がスタート音を聞いてから走り出すまで、わずかの時間差がでるのと同じで、オーケストラは指揮についていくのが原則だからです。

 また、これとあわせて奏者の技術や感受性に問題があったりして、指揮についていくのが大変な場合もあります。さらに、楽器によっても差がでます。長い管を持っていて発音に時間がかかるホルンや、大型で不器用なコントラバスやテューバなどは自然とずれがちになります。

 また、聴衆の座る席によっては、会場が大きい場合などは、視覚的に見る指揮者と耳で聞く音の伝わる早さでの違いから、遅れて感じることが生じてきます。オーケストラのように100近くの奏者が、指揮者について完璧に演奏するのは大変なことのようです。




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指揮者と暗譜

暗譜というのはスコア(総譜)に書かれている音符のすべてを記憶することです。亡くなった岩城宏之さんは著書の中で、指揮者は本来暗譜はそれほど必要ではないといっていました。ただ、譜面を見ないで振っている方が聴衆に「カッコイイ」と人気なので頑張って暗記するといっています。

 最近は若手、ベテランを問わず、暗譜で演奏する人がほとんどです。交響曲のような大曲やオペラなども暗譜で演奏する指揮者もいて聴衆は指揮者の記憶力の凄さにびっくりします。でもほとんど暗譜で指揮をする人でも、協奏曲や現代作品などは念のため譜面台にスコアを置くようです。

 暗譜すると楽譜をめくる手間がなく、オーケストラの楽員の反応にも注意しながら、指揮に集中できることも大きなメリットでしょう。カラヤンはほとんど暗譜で指揮をし、そのスマートさとカッコよさで有名ですが、時折目をつむって振るのがイヤミだと評されたこともありましたが・・・。

 暗譜の方法として岩城宏之さんはピアニストのルービンシュタインから「目の中にフォトコピーすればもっとも確実に覚えられる」とアドバイスされ、そうして記憶していたのだそうです。そして本番のときは頭の中でこの架空の画面を次々とめくりながら指揮をしていくのだそうです。



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指揮者になるためには

オーケストラや合唱、吹奏楽などでそれぞれのパートの演奏をまとめ、音楽の表現をコントロールするのが指揮者の役目です。音のバランスやテンポを調整するだけではなく、演奏そのものをどう表現するのかを示していきます。そのため指揮者によってその演奏は素晴らしくもなり、その反対にもなります。

 指揮者になるためには特に資格は必要ありませんが、音楽大学の指揮科で学ぶのが一般的です。ただし音楽大学の指揮科に入るのには、かなり高度なピアノの技術と和声の知識が必要になります。

 プロのオーケストラの指揮者になるのには、メジャーの国際指揮者コンクールに入賞するのが一番の早道ですが、指揮者コンクールで入賞するためには音楽に関する高度な知識や技術ばかりでなく、卓越した芸術感覚が何よりも必要とされます。

 現在、プロの指揮者で活動されている方の中には、楽器を演奏されていて、途中から楽器や声楽、あるいは作曲などを学び、音楽についての幅広い知識や経験を身につけた後に、あらためて指揮者への道に進んだ人もいます。

 指揮者としての必須条件としては、音楽と楽器に対する深い理解はいうまでもありませんが、作曲家の意図を汲む想像力や、演奏家たちの才能を引き出す指導性、カリスマ性、団員を圧倒する音楽性、またプロデューサーとしてオーケストラを率いる忍耐力など、すべての能力を備えていることが不可欠だといわれています。このようなことから総理大臣になるより、指揮者として成功するほうがむずかしいとも揶揄されます。



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指揮者は誰が決める

オーケストラの定期演奏会などの指揮者はどのように、だれが決めるのでしょうか。オーケストラの演奏会の中心になる定期演奏会などの指揮者の選任は、運営委員会で決めているようです。運営委員会は理事や事務局、オーケストラのコンサートマスターを含めた団員の代表者で構成されています。 

 また音楽監督がいるオーケストラでは、音楽監督と運営委員会の両方が話し合って決めるのですが、音楽面での最高責任者の音楽監督の発言力が強く影響することになります。オーケストラによってはさまざまなケースがあります。ベルリン・フィルは2002年からの芸術監督がサイモン・ラトルなりましたが、これは楽団員の投票で決めているそうです。



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