オリジナル楽器のオーケストラとは作曲された当時のオリジナル楽器、もしくはその復元楽器を用いて、往時のオーケストラの規模と編成を純粋無垢に守りながら、楽譜や奏法に関しても作曲当時の情報に可能な限り忠実にオリジナルに近い形で演奏するスタイルのオーケストラです。作曲家が本来頭に描いた音とはどんなものだったのか、当時の聴衆はどのような響きを聴いていたのかなど、オリジナル楽器のオーケストラの興味深いところです。オリジナル楽器の演奏は近年ますます盛んになっており、近年はハイドン、モーツァルトはもちろんのこと、ベートーヴェンやシューベルトなども見直されています。
代表的なオリジナル楽器のオーケストラ
【18世紀オーケストラ】
現代屈指のリコーダー奏者フランス・ブリュッヘンが私財を投じて、世界15カ国から優れた古楽奏者を結集して1981年、オランダで結成された古楽オーケストラです。ブリュッヘンと18世紀オーケストラはモダン楽器の団体との違いを意識し、全ての楽器を18世紀当時に使われていた楽器、もしくはその復元楽器のみで合奏の特色を徹底して追求しており、この特異なオーケストラの挑戦的で真摯な取り組みは、偉大な音楽作品に眠っていた「力」を生き生きと蘇らせ、世界の多数のクラシックファンから驚嘆と喝采をもって迎えられた。
【バッハ・コレギウム・ジャパン】
バッハ・コレギウム・ジャパンは日本を代表するオルガン、チェンバロ奏者で、東京芸術大学教授の鈴木雅明が、世界の第一線で活躍する日本のオリジナル楽器のスペシャリストを擁して、1990年に結成した本格的なバロックオーケストラと合唱団です。特にヨハン・セバスティアン・バッハを中心とするバロックの宗教作品における音楽の目的をより鮮明に表現するために、プログラムごとに最もふさわしい編成を採用、可能なかぎりオリジナル楽器を用いた当時の演奏スタイルを手本としています。
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