5弦コントラバス手当て
コントラバスには、弦が5弦の楽器と、4弦の楽器があります。ドイツのオーケストラでは、5弦と4弦とで奏者の給料が違うそうである。どちらが高いかというと5弦の楽器。なぜかというと、5本弦を張ってあるほうが、体力を使い、難しくなるので手当てがついているとのこと?? 日本ではこのような手当てはないようですが、もしそうなったらみんな5弦になってしまいそうですね。5弦のコントラバスは4弦のコントラバスの一番低いE(ミ)線の下にさらに、H(シ)の音が開放弦で鳴る弦をつけたものですが、4弦と5弦と比べると、5弦のほうが比較的「鳴らしにくい」「扱いにくい」という点で4弦よりも劣るとのこと。やはり手当てが必要?かもしれません。 5弦のコントラバスが必要な曲は、古典派ぐらいまでの作曲家の作品で多く出てきます。ベートーヴェンの運命交響曲でも5弦が大活躍します。しかし、アマチュアのオーケストラなどで4弦の楽器しかない場合はその音はオクターブ上げて演奏します。オクターブ上げても殆どの場合、聴いているほうに違和感があるようなことはないようですが、プロの場合は「私の楽器はこの音は出せません」とは言えないので5弦を使うようです。 ちなみに、N響では入団時に5弦を使用するか、4弦を使用するかが決まるそうです。(奏者の好みで選ばれている)。パート内は半々の割合ですが、ローテーションの関係でその日の演奏会が全部5弦ということもあれば、その反対のこともあるとのこと。「モーツァルトのときには、4弦だけでできたほうが、モーツァルトらしいクリアーなサウンドになるのですが・・・そういうときに限って「みんな5弦だね・・・どおするよ」みたいなことはあります。(N響の吉田さん)【オーケストラが好きになる辞典(緒方英子著)より】