■日時:2023年6月10日(土)14:00 開演(13:30 開場)
■会場:浜離宮朝日ホール(東京)
〈曲目/公演内容〉
第1部 レクチャー(14:00~14:30予定)
「ショパン全書簡」が提示する新しいショパン像
講師:関口時正(東京外国語大学 名誉教授)
第2部 プレゼンテーション(14:30~15:00予定)
「モダン楽器とピリオド楽器によるショパン演奏について」
話・ピアノ:川口 成彦
*ピアニスト、川口成彦がスタインウェイと1843年製プレイエルの両方の実演を交えて語ります。
聞き手(第1部、第2部とも):吉田 純子(朝日新聞編集委員)
第3部 リサイタル(15:15~17:00予定)
*トマシュ・リッテル(第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール優勝者)がピリオド楽器(1843年製プレイエル)で弾くリサイタル。
ショパン
ノクターン
へ長調 op.15-1
ノクターン 変ロ短調 op.9-1
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 op.109
モーツァルト
幻想曲
ハ短調 K.475
ショパン
24の前奏曲 op.28
チケット:
全席指定4,500円
お問合せ:
朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990
【ピリオド楽器演奏が加わることで見えてくる、さらなる“真実のショパン” 】
2018年9月、トマシュ・リッテルはワルシャワの第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール本選で18世紀オーケストラとショパン「ピアノ協奏曲第2番へ短調」を弾き、優勝を果たした。そのとき、私を含めピリオド楽器のショパンを楽しむために会場に集った聴衆は、リッテルの演奏から「幸福感」を味わった。そして世界最高峰と言われるコンクールを主催している国立ショパン研究所(NIFC)が、「ピリオド楽器による演奏の普及」を目的に掲げた“もう一つのショパン・コンクール”を始めたことに納得したのである。
これから私たちはそれによって、ショパンが知り得なかった現代のピアノの響きによるコンクールと、ショパンが自ら弾き自ら聴いた響きのピリオド楽器のコンクールの両面から“真実のショパン(Real Chopin)”を追求することになるのだ、と。
今回の催しは、ショパン全書簡(岩波書店刊行)をテーマとしたレクチャー、第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位の川口成彦によるプレゼンテーション、そしてトマシュ・リッテルのリサイタルを組み合わせたものだ。このレクチャー&コンサートから、さらなる奥行きのあるショパン像、先述したReal Chopinが見えてくるものと確信している。
またこの先は、ワルシャワで今年10月に行われる第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール、そして日本では来年3月にトマシュ・リッテル、川口成彦、そしてユリアンナ・アヴデーエワ(2010年ショパン国際コンクール優勝)を加えた3人が18世紀オーケストラとショパンのピアノと管弦楽のための全6作品を演奏するプロジェクト(The Real Chopin X18世紀オーケストラ)など、ピリオド楽器のショパンにわくわくする機会が待っている。
佐藤 正治(KAJIMOTOプロジェクト・アドバイザー)
【トマシュ・リッテル(ピアノ)Tomasz
Ritter,Piano】
2018年に行われた、第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで第1位。
1995年ポーランドのルブリン生まれ。ワルシャワのシマノフスキ国立音楽学校を卒業後、2014年モスクワ音楽院で、ピアノとフォルテピアノをリュビモフに、チェンバロをウスペンスカヤに学ぶ。またハンブルク音楽演劇大学のルトコウスキ教授の下でピアノとピリオドピアノを修めた。
HIP(Historically informed performance 歴史的情報に基づく演奏)はリッテルの活動に重要な位置を占めている。M.ビルソン、A.シュタイアー、T.コッホらに影響を受け、P.マクナルティやE.ブンクらのピリオド楽器のコレクター/修復家とも交流を持つ。
これまでソリストとしてポーランド放送響、シンフォニア・ヴァルソヴィア、18世紀オーケストラ、バッハ・コレギウム・ジャパンなどと共演し、サントリーホールでの室内楽(2019年)、カーネギーホールでのA.ルービンシュタイン記念リサイタル(2019年)に出演。欧米や日本で活動を広げている。
2023年にはハイドン、ベートーヴェン、ショパンなどを収めた3枚目のCDが国立ショパン研究所(NIFC)からリリースされる予定。
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