ドイツの放送楽団の中でも、最古参のひとつとして1929年に設立されたフランクフルト放送交響楽団は、初代のハンス・ロスバウトを筆頭とした世界に名高い指揮者を擁立し、それぞれの時代特有の音を確立してきた正統派の楽団です。とりわけ、1974~1990年まで首席指揮者を務めたエリアフ・インバルの時代に「マーラー」「ブルックナー」などの録音を通じて一時代を築き上げ、世界中に「フランクフルト放送響」の名を広めました。その後、ドミトリー・キタエンコの時代を経て、1997年からヒュー・ウォルフが、2006年からはパーヴォ・ヤルヴィが首席指揮者に就任している。
85年から88年に行われた「マーラーの交響曲全曲集」の録音では、ドイツ・レコード賞、日本レコード・アカデミー賞、文化庁芸術作品賞など各賞を総なめにし、"インバル/フランクフルト放送交響楽団"の組み合わせは、世界第一級のマーラー、ブルックナーの名プレイヤーとして世界中のファンの間に定着し、名実ともに世界最高水準のオーケストラとして絶賛されています。
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