ボストン交響楽団はボストンを本拠として活動している世界で最も有名なオーケストラの一つです。弦楽器部門の質の高さはとりわけ有名である。ボストンのシンフォニーホールを拠点としており、ホールの音質のすばらしさもよく知られている。
ボストン交響楽団は銀行家ヘンリー・リー・ヒギンソンの私財によって1881年マサチューセッツ州に創設され、1881年10月22日ゲオルク・ヘンシェル指揮の下で第1回目の演奏会を開いた。1889年から93年までアルトゥール・ニキシュ、1919年から24年までピエール・モントゥーが首席指揮者を務めた。モントゥーの指導のもとで弦楽奏者がフランス的な音色を覚え、その伝統は今日まで続いているという。
1924年からはセルゲイ・クーセヴィツキーが招かれている。セルゲイ・クーセヴィツキーを首席指揮者に迎えてから、今日の世界的な知名度が築かれ、ラジオ放送に定期的に出演し、夏季の活動拠点をタングルウッドに定めた。特に、クーセヴィツキーの委嘱によるバルトークの「管弦楽のための協奏曲」の世界初演(1944年)は音楽史的にも重要である。1949年より、クーセヴィツキーの後任シャルル・ミュンシュのもとで、初めて海外公演を行う。ミュンシュの後任は、1962年よりエーリヒ・ラインスドルフが勤め、1969年にウィリアム・スタインバーグに後を譲った。
1973年には小澤征爾が音楽監督に就任し、その情緒的な表現様式によってたちどころにボストン市民を魅了し、市中で最も愛される音楽家となった。2002年まで小澤が留任したが、歴代のボストン響の指揮者の中ではクーセヴィツキーと並んで、最も任期の長い指揮者となっている。小澤の後任がジェイムズ・レヴァインである。
1885年に初めて催された「プロムナード」は現在では「ボストン・ポップス」として親しまれている。こちらは軽音楽やポピュラー音楽を専門としている。1930年からアメリカ育ちのアーサー・フィードラーが第18代指揮者に就任後、50年間にわたってもボストン・ポップスを広める貢献をした。後任には映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズが1980年から93年までの間、音楽監督に就任。1995年には35歳の若手指揮者キース・ロックハートが第20代指揮者に就任している。
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