アメリカ合衆国の指揮者・ピアニスト。1964年にジュリアードを卒業後、1965年年まで、クリーヴランド管弦楽団でジョージ・セルの指揮見習いを、その後は1970年まで助手を務める。1970年、フィラデルフィア管弦楽団の客演指揮者として指揮者デビュー。同年、ウェールズ・ナショナル・オペラやサンフランシスコ歌劇場でオペラ指揮者としてもデビューする。
レヴァインといえばメトロポリタン歌劇場であろう。1973年には首席指揮者に任命される。1975年より音楽監督、1986年からは（同劇場で史上初の）芸術監督に就任。現在に至るまで異例ともいえる長期政権を築いた。
また1999年にセルジュ・チェリビダッケの死後空席だったミュンヘン・フィルの音楽監督に就任、2004年には小澤征爾の後任として、アメリカ人指揮者としては初めて、ボストン交響楽団の音楽監督にも就任した。ボストン交響楽団との契約によって、アメリカ国内のオーケストラへの客演は制限されるようになったものの、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ドレスデン・シュターツカペレ等ヨーロッパの楽団には今も客演している。ザルツブルク音楽祭には1975年以来の付き合いになる。

メトロポリタン歌劇場管弦楽団は、ニューヨーク市にあるメトロポリタン歌劇場付属のオーケストラである。オーケストラ・コンサートを行う時は「MET管弦楽団（The MET Orchestra）」と称する。従来演奏活動はオペラやバレエの公演に限られていたが、レヴァイン時代よりシンフォニー・コンサートも積極的に行うようになった。
メトロポリタン歌劇場は1883年に設立。1961年に現在のリンカーン・センターに本拠地を移す。1972年から1974年までラファエル・クーベリックが初代音楽監督を務め、1976年から現在までジェームズ・レヴァイン（1973年から首席指揮者、1986年から2004年までは芸術監督兼務）が務めている。
レコーディングは、レヴァイン指揮でオペラ全曲物や、ベートーヴェン、リヒャルト・シュトラウスなどの管弦楽曲がある。またレナード・バーンスタイン指揮でビゼー「カルメン」もある。