クラシック音楽ファンならコンサートに行くと会場の入口で薄いビニール袋に入ったチラシの束を渡されるのを誰もが経験していることでしょう。それまで音楽事務所ごとに撒いていたチラシを束ねてわたすという配布ビジネスを始めたのは株式会社コンサートサービスという会社でした。

　株式会社コンサートサービスは１９７３年に創業され、主にクラシックコンサート、オペラ、バレエ等の各主催者が作ったオリジナルのチラシ（超豪華な物もあり）を、公演にご来場になったお客様一人一人に、まとまった数でお渡ししているユニークな会社です。（株式会社コンサートサービスHPより）。以来、現在までクラシックのコンサートのチラシ・リーフレットの配布をビジネスにする日本で唯一の会社のようです。

　チラシを束ねてビニール袋に入れて会場で配るという一見単純そうなことでもかなりのノウハウが必要だという。年間数千万枚（音楽の友平成１３年２月号）という東京中のコンサートのチラシがこの会社に集められ、その中からその日に配布するコンサートに合うチラシを選別、一番上にどのチラシを載せるかを決める。どのチラシをどのコンサートで撒くか、一番上に載せるチラシを決めるのがポイントで、それを失敗すると受け取りの拒否や、捨てられたりする数に大きな差がでるとのこと。

　多い時には１回に１００枚以上の束になることもあるそうです。また会場でチラシを出した時に音が出ないように工夫されたやわらかいビニール袋や、終演後にホール内に捨てられたチラシの回収まで、外からでは伺いしれない苦労もあるようです。しかし。このビジネスは関東のみだというのが面白いところです。関西や名古屋では他のホールの宣伝になるということでコンサート会場が配布を許可しないそうです。