アルゼンチンといえばタンゴ。タンゴといえばバンドネオン。バンドネオンはタンゴには欠かせない楽器です。アコーディオンに形が似ているが鍵盤は無く、代わりに蛇腹の両側にボタンがついている。ドイツのハインリヒ・バンドが1847年に考案した。その後アルゼンチンで広まり、タンゴでよく用いられる楽器となった。
蛇腹は牛革と厚紙でつくられており、ボタン式の鍵盤が左右に33個づつ並ぶが、音階配置がほぼ不規則といった独特の構造を持っている。中央のボタンは、隣同士の特定のボタンを同時に押すと、和音が鳴るようになっている。
蛇腹で空気を送りつつボタンを押さえ、内部のリードを振動させて音を出すが、蛇腹を引いたときの方が、音がよく響く。これは蛇腹によく共鳴するためだと言われる。従って、バンドネオン奏者は蛇腹を引く音を多用し、蛇腹を引いて演奏しては空気抜きボタンを押しながら蛇腹を戻すという作業を繰り返す。特にタンゴの鋭いスタッカートは、膝を使いながら蛇腹を瞬時に引くことによって出される。
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