ピアノやオルガンのコンサートに行くと、演奏者の隣に立って譜めくりをしているのを見かけます。ピアノの場合は譜めくりさんですが、オルガンの場合は譜めくり以外にも色んなことをしています。 オルガンの譜めくり?は通常アシスタントと呼ばれ、譜めくりとあわせて演奏のための補助を行う役目をもっています。アシスタントは、オルガニストがあらかじめ決めた指示に従い、「ストップ」と呼ばれる、音色を選ぶためのレバーや、コンビネーション(音色の組み合わせの記憶装置)を動かしたりします。 オルガンはただでさえ、鍵盤だけで3段も4段もあり、その上、飛行機のコクピットのようなおびただしい数のレバーがあります。そして、曲の途中に音色を変えようと思うと、そのレバーをリズムに合わせて押したり引いたりしなければなりません。 そのため、アシスタントのミスは演奏のミスにもつながる上に、時には演奏さえも左右してしまうような重要な役目ですので、単に譜面が読める人なら誰でも出来るという訳ではなく、楽器のこと、音楽のことを知っていて、機敏に動け、また信頼できる人でなくてはなりません。 つまり、オルガニスト達は持ちつ持たれつ誰かが弾く時は誰かがアシスタントしなければならないオルガン友達や、アシスタントを頼める友人や後輩が必ず必要になるわけです。しかし地方での演奏会などでは、必ずしも良いアシスタントがいないこともあります。そういった時には、アシスタントが必要でない曲を弾いたり、一人で奮闘せざるをえないようです。 このように、演奏の一部とも言えるような重大な操作を人に任せるとは、ほかの楽器の奏者には信じられないことでしょう。