作品番号とは、クラシック音楽の作曲家の作曲した楽曲に付される認識番号です。ほとんどが作曲の年代順に付けられます。作品番号は英語やドイツ語ではOpus(オーパス)と呼ばれ、一般にOp、op、Opなどと略されています。日本語では「作品○○番」と書かれています。
作品番号は作曲家自身で付ける場合もありますが、ほとんどが出版に際して付けられた番号です。そのため作曲順というよりも出版順となることも多く、後人の混乱の元になることも多くあります。また同一の作品が別の会社から出版されたような場合には、1つの作品が異なった番号を持っている場合もあります。
また作品番号と併せて楽曲の認識番号付けには作品目録があります。それは作曲家の作品を網羅的に把握しようとする試みから生まれたもので、後世の研究者が、出版されなかった作品も含めてある作曲家の捜索の全体像を捉える努力をし、その成果を作品目録という形にまとめられています。
【主な作曲家の作品目録とその表記】
J.S.バッハ 〔BWV〕バッハ・ヴェルケ・フェアツァイヒニス
J.S.バッハの作品をドイツの音楽学者シュミーダーが作品分類によりまとめた整理番号。
モーツァルト 〔KまたはK.v〕 ケッヘル
モーツァルトの作品をモーツァルト研究家ケッヘルが作品年代順にまとめた整理番号。
ハイドン 〔Hob.〕 ホーボーケン
ハイドンの作品をオランダの音楽学者ホーボーケンが楽曲形態ごとにまとめた整理番号。部門がローマ数字で、曲番がアラビア数字で表記されている。
ベートーヴェン 〔WoO〕 ヴェルケ・オーネ・オープスツァール
ベートーヴェン自身が付けた作品番号のないものにドイツの音楽学者キンスキーと、文献研究家ハルムがつけた整理番号。
シューベルト 〔D〕ドイチュ
シューベルトの作品にオーストリアの音楽文献学者ドイチュが作品年代順につけた整理番号。
作品目録は作曲年代、初版時期、初演時期と場所などさまざまな情報が掲載されているので、楽曲についての詳しい情報を調べるうえでは欠かせない資料です。
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