室内楽のコンサートなどで楽譜を見ながらピアノを弾く時に、ピアニストの左横に座って、楽譜をめくっている人がいます。この人が「譜めくり」さんです。「譜めくり」さんは、奏者が自分で楽譜をめくることができない時に助手として助けてくれる人です。
オーケストラなどの弦楽器や管楽器の場合は、譜面をめくるところには、譜めくりが可能なように休符が入れてあるので一般に「譜めくり」さんは、必要ありません。というか一人でめくることが可能であるように楽譜が作成されています。
またオーケストラの弦楽器の場合には、2人で1つの楽譜を読むのが習慣になっていて、また人数も多くいるために、譜めくりは2人のうちのひとりが演奏を中断して譜めくりします。通常はステージから見て奥側に座っている奏者がめくります。
「譜めくり」さんが、最も多く必要になるのは、伴奏ピアノの場合です。伴奏ピアノはアンサンブルで演奏する場合は、暗譜で演奏することは滅多ありません。また伴奏ピアノの譜面には、例えば、ヴァイオリンの楽譜には、ヴァイオリンの音しか書いてありませんが、ピアノの楽譜には、ピアノ以外にヴァイオリン、三重奏なら三人分、四重奏なら四人分の楽譜が同時に書かれているために。楽譜は厚くなり頻繁にめくる必要がでてきます。
「譜めくり」さんの、作業は譜面をめくるだけですが、これは演奏家と一体になって本番中にする作業のため大変気をつかいます。そのため最低限、繰り返し(リピート)場所の確認、テンポはどのくらいか等を事前に知り、備える必要があります。
譜めくりが旨くいかなかったので演奏にも影響したということもあります。そのため「譜めくり」を専門のアルバイトにしている人もいます。上手な「譜めくり」さんは、演奏家の微妙なサインを読み取って、絶妙のタイミングでめくってくれます。
最後に、譜面をめくる際に注意しなければならないこととして、音を立てないようにすることです。楽譜をめくる時は気を付けないと、「パラッ」という音が聞こえてしまいます。それを避ける方法は、少し弧を作りながら半円を描くようにめくるのがいいようです。
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