音楽出版社とは作詞家や作曲家などから、その著作権を譲り受けて、著作物の利用の促進とその権利を守ることを業務としている会社です。JASRAC(音楽著作権協会)は音楽や演奏、録音などの利用を管理をするのに対して、音楽出版社はその利用を促進するためのプロモートを業務とします。
音楽出版社は、音楽ビジネスの総合商社であり契約している音楽著作権者が1円でも多くの収入を上げるようあらゆる努力をしています。作家にとっては、JASRACに預けるだけでなく、音楽出版社に委託することによって、その利用を促進させられるというメリットがあります。
音楽出版社がミュージック・ビジネスの中心的存在として活躍しているアメリカでも、音楽出版社というと楽譜出版が仕事のように受け取られてしまうことが多いそうです。出版社(ミュージック・パブリッシャー)という名がついているのは、古くから楽譜の出版によるビジネスとして成立してきた長い歴史の名残りで、実際に出版活動を行っているところはごく一部です。日本では音楽出版社が著作権者であることすら余り知られていないようです。
最近では新しいメディアとして音楽のネット配信等が始まり、音楽出版社をはじめ権利関係に関するビジネスもそれに対応して変化してきています。そのために法務や外国との交渉能力など、専門知識がある人材が常に求められています。
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