【2008.2.23】
鬼才、ペーター・コンビチュニーまたも衝撃のオペラ!
今年は、ドイツのペーター・コンビチュニーのオペラが2作品上演される。既存の作品イメージを覆す刺激的な演出で、いつも“事件”として大評判になる鬼才だけに、オペラファンの話題を呼びそうだ。
今年は4月17,19日に、東京・渋谷のオーチャードホールでベルディの人気作「アイーダ」が上演される。秋には東京二期会が、チャイコフスキーの「エフゲニー・オネーギン」(9月12日〜15日、東京文化会館)を披露する。
詳しくは東京グランドクラシックス事務局(ムジークレーベン内)
詳しくは東京二期会
「アイーダ」は1994年、オーストリアのグラーツ歌劇場が初演した。欧州のオペラ事情に詳しい音楽ジャーナリスト・来住千保美氏は「ここまで大胆に作品の核心を突いた制作はない」と評する。勇壮なマーチで知られる第2幕の凱旋場面には、付き物のピラミッドや大群衆が登場せず、「<戦勝者とは何か>という問いを突きつけ、祝いの音楽が個人の内面的崩壊をより際立たせるとい解釈」(来住氏)が見ものだ。今回の歌手陣はグラーツ歌劇場公演の経験者が中心となる。
「エフゲニー・オネーギン」は95年に独ライプチヒ歌劇場が制作。青年貴族オネーギン、タチアーナを中心とする叙情的な作品。オーケストラ・ピット手前の客席側に通路を設け、歌手は舞台を広く動き回る。大きな特徴は、第2幕終了後の休憩がないこと。オネーギンと親友レンスキーの決闘場面の後、すぐに第3幕に舞踏会の場に入る。「親友の死体を抱いてポロネーズを踊り、狂ったように<死の舞踏を見せる。その心理表現は当演出の見どころ」(来住氏)だ。読売新聞(2.22夕刊)
ペーター・コンビチュニー Peter Konwitschny
1945年ドイツ生まれ。父親は著名な指揮者のフランツ・コンビチュニー。ベルリンでオペラ演出を学び、80年代以降、演出家として活躍。独ハンブルクやシュツットガルトの歌劇場で、多くの傑作を生んだ。
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