チャングは朝鮮半島に古くから伝わる打楽器です。チャングは宮中音楽のみならず農楽と呼ばれる農民の音楽の両方で使われてきました。チャングは砂時計のような形をして、木をくりぬいて作った胴体の両側に革が張ってあります。チャングはあぐらで座った上に抱えるようして演奏します。左側の面は牛革で作られ、右側の面よりも少し大きく、皮も厚く低音が出ます。右側は馬の皮で作られ、若干小さく皮も薄くなっています。
左手に持つばちは、先端に木製の小さな球がついていて、叩くと「ドン」という音がします。右手のばちは、竹製で先が細くなっていて、「タン」という音がします。これを組み合わせ「ドンタタ」「ドンタクタ」など様々なリズムを奏でます。
また、チャングの演奏は踊りと切り離せません。1930年代にはある地方の踊りが発展し、チャングを肩から斜めに提げてたたきながら踊るチャンゴチュム(チャンゴの舞)が生まれました。頭に2メートルはあろうかというリボンがついたサンモという帽子をかぶり、頭の小さな動きだけで前後左右に弧を描くようにくるくる回る。チャングは左の腰にしっかり固定してある。その間も軽いステップを踏み体を回転させる。そこへ、たたく面やたたき方でそれに幅広い音色を乗せ、少しずつ変化させながら演奏は続きます。
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