マラカスはヤシ科の実「マラカ」を乾燥させて、その中の種を残したもので、打楽器に分類される。両手に1本ずつ持って演奏するので複数形の「マラカス」となる。現在では木製が多い。キューバを中心に、ラテンアメリカ音楽にとっては欠かせない存在。サルサやサンバなど陽気でアップビートなラテン音楽の中で、リズムキープという職人的な役割を担う。
鳴らすときに、ひとつだけ「シャッ」と音を出すためには、楽器を振り回すことなく、まず楽器を軽く持ち、急激に楽器の球の半径ほど下げて、強く柄を握るようにする。振れば音が出る、という単純な構造ながら、振り下ろしてから音が出るまで一瞬の間があるためリズムに乗って演奏するのは結構難しい。本場ではマラケーロと呼ばれるマラカスを専門に演奏する人がいるほど奥の深い楽器。
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