カンテレはフィンランドの伝統的楽器の一つで、チターの一種に分類される弦楽器。フィンランドの国民的叙事詩である「カレワラ」の中で、老賢者ワイナミョイネンがカンテレを開発したことになっているため、フィンランドでは民族意識の象徴として扱われることも多い。フィンランドでは大変ポピュラーな楽器で「フィンランドのハープ」と紹介されていることもある。
翼型の共鳴箱に弦を張ったカンテレは、現在は5〜39弦まで大小さまざまなものがある。弦はスチールが主で、原型となるカンテレはたった5弦で1本の木をくりぬいて作られている。それが20世紀の中・後半にかけてどんどん弦数が増えて様々な種類があみだされてきた。
そして今では39弦カンテレまであり、本来の楽器からは想像もつかない広い音域と半音を得られる楽器となっている。5弦カンテレは今もアンサンブルなどで使われ、学校教育でも伝統的な楽器として使用されている。演奏会などで独奏楽器として演奏されるのは21弦以上のもので、20弦以上の大きいものは、木の板を組み合わせた箱に弦を張り、消音機能や半音操作ができるレバーを持っている。
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