ファゴットという呼び名はイタリア語で、英語ではバスーンといいます。ほとんどの国で使われている現在のファゴットは、1880年頃ドイツの楽器メーカー、ヘッケル社が完成させた「ヘッケル式」と呼ばれるものです。
ファゴットはオーボエと同じダブルリードの楽器です。オーケストラでは渋みのある独特の音色でソロを受け持ったり、木管部のハーモニーの最低音部を支えたりします。オーケストラにあっては欠かさず用いられる楽器で、吹奏楽においても、大半の楽曲で編成に組み入れられています。
ファゴットは。オーケストラの中でも独特な形でひときわ目立つ存在です。管の長さは全長でおよそ260cmもあり、組み立てた楽器の高さはおよそ140cmぐらいになります。管が長いので演奏時にはストラップを用い、楽器を斜めに構えて吹くという点も、他の管楽器には見られない特徴です。
ファゴットは多少鼻の詰まったような音色を持ち、音が跳躍する動きのとき、おどけたような表現を得意としています。ファゴットの低音域はオーケストラの響きに力強さを与え、テナー歌手の音域にあたる高音域は独奏メロディにもよく使われます。また標準ファゴットより1オクターブ低い音域をもつコントラ・ファゴットがあります。
|