クラリネットの同属楽器
クラリネット属の楽器は高音域から低音域まで種類が豊富です。小さな楽器は25p。一番大きな楽器になると、その長さは2mを超えます。それぞれ音域を変えるために管の長さを変えたものであり、運指などは殆ど同じです。基準形はソプラノ・クラリネットで、単にクラリネットと呼んだ場合には通常ソプラノ・クラリネットを指します。調性は、変ロ(B♭)調が一般的であり、この他にイ(A)調のものがあり、オーケストラなどで多く使われます。
E♭クラリネット
通称「Es エスクラ」と呼ばれています。B♭のソプラノ・クラリネットよりも4度高く、カン高くて鋭い響きのする音を出します、オーケストラの中では大変重要な役割も多く、「幻想交響曲」や「ボレロ」などで重要なソロの場面があります。
ソプラノ・クラリネット(B♭)
単にクラリネットと呼んだ場合には通常ソプラノ・クラリネットを指します。調性は、変ロ(B♭)調が一般的であり、この他にイ(A)調のものがあります。音色はピアニッシモでは非常に柔らかく、フォルテッシモでは激しくドラマティックに響き、表現力に非常に富んだ楽器です。シンフォニックなオーケストラでのB♭クラリネットの位置は非常に重要です。
アルト・クラリネット(E♭)
ソプラノ・クラリネットとバス・クラリネットの中間サイズで、低い音程を出すために管はクラリネットより長く、低音パートとして重厚な和音を構成する重要な音域と音色を受け持っています。アルト・クラリネットはオーケストラには使われておらず、おもに吹奏楽やクラリネットアンサンブルなどで使われています。
バセット・ホルン(F)
バセット・ホルンはクラリネットよりも大きく、マウスピース付近で管体が曲がっている、クラリネットとよく似た、シングルリードの木管楽器です。ホルンと名称がついていますがホルンではありません。バセット・ホルンは18世紀後半に発明されました。B♭クラリネットより4度低く、音色は響きがたいへん魅力的で格調にあふれ、モーツァルトはこの楽器を宗教音楽に好んで取り入れています。
バス・クラリネット(B♭)
この楽器は標準型のクラリネット(ソプラノ・クラリネット)のほぼ倍の長さを持つ変ロ (B♭) 調の楽器です。アルト・クラリネットより更に低い音域の音を出します。音は低くまろやかで、豊かな響きが特徴的です。管が長いため押さえる穴の間隔も広くなっています。
コントラバス・クラリネット(B♭)
変ロ (B♭) 調のバス・クラリネットの1.5倍の長さを持つコントラバス・クラリネットは、一番低い音を出す楽器で、低音域は豊かで並外れた深さがあります。吹奏楽やクラリネットアンサンブルにおいて重要な役割を果たし、特にクラリネット六重奏などの室内楽では欠かせない楽器です。
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