チェロはヴァイオリンを大型化させたヴァイオリン属の楽器であるのに対して、コントラバスはヴィオラ・ダ・ガンバの最低音域楽器である「ヴィオローネ」という楽器が直接の先祖になります。ヴィオローネは16世紀に生まれ、18世紀頃まで用いられていました。
オーケストラの中ではコントラバスと呼ばれますが、クラシック以外では吹奏楽、ジャズ、カントリー、マンドリンオーケストラ、フォーク等、その存在はかかせないものになっています。名称もダブルベース、ウッドベース、弦バス、ストリングベースと様々な名前で呼ばれています。
調弦は他の弦楽器は5度ですが、コントラバスの弦は上からG、D、A、E、と四度間隔で調弦されています(ギターの低い方の4本と同じ)。現代ではさらに低いC線を追加した5弦バスもオーケストラでは用いられます。
弓には2つのタイプがあり、ヴァイオリンと同じように順手で持つフレンチ式(ボッテシーニ式)と、手のひらを上に向けて持つジャーマン式(ドラゴネッティ式)があります。日本ではジャーマン式が一般的です。弓はバイオリン、ヴィオラ、チェロの場合はほとんどが白毛の馬ですが、コントラバスの場合は黒毛や栗毛を用いることもあります。
コントラバスは、楽譜に書かれているよりも1オクターブ低い音が出ます。音色は弦長が長いため、余韻が長くハーモニックスも大変豊かです。近接した音型や細かく速いパッセージには向いていませんが、ピチカートや長い持続音では豊かで充実した響きが得られ、合奏全体が包まれるような素晴らしい効果が上がります。
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