ドイツの作曲家マウリツィオ・カーゲル(1931〜2008)という作曲家が、自分の50歳記念コンサート用に作曲した室内アンサンブル曲に「フィナーレ」という曲があります。
この「フィナーレ」は約20分程度の曲ですが、演奏終了5分前に指揮者が倒れます。楽譜には指揮者への指示が書かれていて、そこには「指揮者が突然のけいれんに見舞われたかのように硬直する。右の腕は上げられ、肩は盛り上がる。左手でネクタイを締め、自分の胸のあたりを軽くさする。…譜面台をつかみ、…後ろの床に聴衆に頭を向けて倒れる。そのため譜面台は彼の上に引き倒される」と記載されています。そして指揮者が倒れた後はコンサートマスターが代わりに指揮をとるように記載されています。
この「フィナーレ」は実際に、飯森範親指揮、山形交響楽団第161回定期演奏会のアンコールにて演奏?されています。これはテレビ番組トリビアの泉の2006年2月9日放送での収録でしたが、飯森本人を紹介する写真は倒れた姿が使われ、スタジオの爆笑を誘ったそうです。
カーゲルの作品には「フィナーレ」の他に、「ティンパニ協奏曲」ではティンパニに飛び込むという指示がある曲もあるそうです。
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