指揮者のダイナミックな指揮ぶりを見るのもオーケストラの演奏会の楽しみの一つですが、ではオーケストラの指揮者の役割にはどのようなものあるのでしょうか。
指揮者の役割として一番重要なものは演奏者に音の「入るきっかけ」と「終わるタイミング」の指示を行うことです。そしてオーケストラ全体の音のバランスを聞き、曲をまとめあげる指導をするのが指揮者の役割です。とくに現代曲などには曲の途中のテンポの変わる作品もたくさんあり、そんなときには指揮者の指示が大変重要になります。
さらにはその音楽の持つ構成や作曲家の意図をしっかり把握して、音楽を盛り上げたり、抑えたりするなど、表現や曲の流れをオーケストラに意識させるのも指揮者の重要な役目です。この指揮者の指示によって、演奏のスタイルや曲のイメージが大きく変わるので、指示の違いがそのまま指揮者の個性となり、オーケストラの評価へとつながります。
また指揮者の役目はこのような物理的なことだけではなく、指揮者は演奏者に対し心理的な影響もおよぼします。演奏中の指揮者の気迫や表情、タクトさばきによって演奏者が刺激を受け、指揮者の目指す音楽に引き込まれて練習以上の音楽性を発揮することもあります。
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