ユーフォニアムの音色は、トロンボーンやホルンにも似ているためか、一般的にはよく知られていないようです。ユーフォニアムの、人をほっとさせるような朗々とした音色がよく感じられる代表的な作品には、以下のようなものがあります。
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」より「ビドロ」
組曲「展覧会の絵」はムソルグスキーが1874年に作曲したピアノ組曲です。4曲目の「ビドロ(牛車)」では、地平線のかなたから山のような枯れ草を積んだ牛車が近づいて来て、遠ざかる様を描いています。ラヴェルの指定ではテューバとなっていますが、高音域が続くこのソロのみ、ユーフォニアムで演奏されることも多くあります。
フィリップ・スパーク:パントマイム
パントマイムはユーフォニアムのソロ曲(伴奏はピアノ又はブラスバンド)で、優雅で感動的な前半部分と、ユーモラスで軽快な後半部分で成り立つ作品です。ユーフォニアム奏者なら知らない人がいないほどポピュラーとなっています。
ケネス・アルフォード:行進曲「ボギー大佐」
代表作の「ボギー大佐」は、「クワイ河マーチ」の名で映画音楽「戦場にかける橋」に用いられて世界中で一躍有名になりました。ここでは全編でユーフォニウムが印象的な裏旋律を奏でます。ちなみにタイトルの「ボギー大佐」は実在する人物ではなく、ゴルフ用語の「ボギー」のことだそうです。
【その他】
ホルスト:組曲「惑星」より火星
フィリップ・スパーク:「祝典のための音楽」
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リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」
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