ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
音楽愛好家には「ドヴォルザークのコンチェルト」を短縮した「ドボコン」の愛称で親しまれています。チェロ協奏曲の中で最も有名な作品の一つで、チェロ奏者にとって最も重要なレパートリーとなっています。その郷愁に満ちた日本人好みの旋律は聴く人を魅了してやみません。
ハイドン:チェロ協奏曲 第2番 ニ長調
チェロ協奏第2番はチェロの名手としてエステルハージ侯の楽団で活躍していたアントン・クラフトのために書かれた作品です。ドヴォルザーク、シューマンの協奏曲とともに3大チェロ協奏曲の一つとして数えられています。
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 作品129
ドヴォルザーク、ハイドンのチェロ協奏曲と並んで「3大チェロ協奏曲」と呼ばれています。チェロにとっては高音域が多く、しばしば重音が現れるなど技巧上の難曲となっています。
サン=サーンス:「動物の謝肉祭」より”白鳥”
「白鳥」はフランスの作曲家サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」の中の一曲です。「動物の謝肉祭」はパロディ風にさまざまな動物を描写した14曲からなる組曲です。中でも「白鳥」はチェロ独奏曲としてあまりに有名です。チェロとピアノで演奏され、その典雅で気品のあるメロディはたいへん美しく、世界中で愛聴されています。
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番ト長調 BWV1007
J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲は、チェロ独奏用の曲で全6曲あります。その全てが無伴奏作品としてだけでなく、チェロ作品の金字塔としてそびえたっています。中でも無伴奏チェロ組曲第1番は全曲中でも最もよく知られる曲となっています。
カタロニア民謡:鳥の歌
「鳥の歌」はカザルス94歳のとき、世界国際平和デーにて国際連合本部でアンコール演奏され世界的に有名になりました。「私の生まれ故郷カタロニアの鳥は、ピース、ピース(英語の平和)と鳴くのです」と語り、「鳥の歌」をチェロ演奏したエピソードは伝説的です。
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番 イ長調 作品69
ベートーヴェンはチェロ・ソナタ5曲を作曲していますが、最も広く知られているのがこの第3番です。ベートーヴェン中期の「傑作の森」を代表する室内楽曲であり、チェロ・ソナタ作曲史上「チェロの新約聖書」といわれ、多くのチェロ奏者にとって大切なレパートリーとなっています。
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲
チャイコフスキーが作曲した2曲のチェロと管弦楽のための作品のうちの1曲です。チェロと管弦楽のための作品としてはドヴォルザークのチェロ協奏曲に次いで演奏の機会が多く、チャイコフスキー国際コンクールチェロ部門の課題曲としても用いられています。
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ 作品8
左手のピッツィカートや重音奏法、急速なトレモロなどの超絶技巧を駆使した難曲として知られています。日本では、第1楽章がサントリーローヤルのCM曲として使用されました。
フォーレ:夢のあとに
フォーレの作品の中では「レクイエム」と並んで、最も知られている曲です。パブロ・カザルスがチェロ独奏に編曲してからチェロの小品としても親しまれています。また、ヴァイオリンやフルートなど、さまざまな独奏楽器のためのピースとして愛好されています。
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821
シューベルトが6弦の弦楽器アルペジョーネのために作曲した作品。一度聴いたら忘れられないほどのその哀愁あふれる美しい旋律はシューベルトの曲の中でも際立っている作品です。
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 作品65
ピアノ曲以外ではあまり知られていないこの曲ですが、チェロ奏者にとってはいつか弾きたい憧れの曲の一つとして知られています。
ボッケリーニ:チェロ協奏曲 第9番 変ロ長調
ボッケリーニは10曲以上のチェロ協奏曲を残していますが、このチェロ協奏曲第9番は、19世紀後半のドイツのチェロ奏者、フリードリヒ・グリュッツマッハーが巧みな編曲を行い、広く知られるようになりました。
フォーレ:エレジー
原題はチェロと管弦楽のためのエレジー ハ短調 作品24で、ガブリエル・フォーレが1880年に作曲したチェロと管弦楽、またはチェロとピアノのための作品。
ポッパー:ハンガリー狂詩曲
「ハンガリー狂詩曲」作品68は7つのハンガリー民謡を取り入れ、色彩感と躍動感のあふれた曲で、曲の後半はスリリングなパッセージの連続で、超絶テクニックを必要とする難曲の一つです。
カサド:愛の言葉
ガスパール・カサドは20世紀スペインを代表するチェリストの一人です。1920年に作曲された、「愛の言葉」はカサドのチェロの師であるカザルスへ捧げられました。
ショパン:序奏と華麗なるポロネーズ ハ長調 作品3
ショパンの室内楽作品は4曲だけですが、4つのうち3つがチェロとピアノのための作品で、ピアノの詩人ショパンがチェロも好んでいたことがうかがえます。情熱的で激しい感情の吐露がチェロで表現されています。
ブルッフ:コル・ニドライ 作品47
「コル・ニドライ」はチェロと管弦楽のための小品です。「ヴァイオリン協奏曲第1番」や「スコットランド幻想曲」とともにブルッフの代表作としてチェリストに愛奏されている作品です。